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事例03

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開発背景

・ 自動車業界では、自動車の電子化が急速に進んでいます。環境に配慮したCO2、NOxの削減や安全性を高める技術には、電子化が不可欠となっています。電子化の基本となるマイクロコントローラを搭載した『ECU』の開発が、自動車の性能や乗り心地を決めるとさえ言われています。

・ 車載ネットワークも進化の一途をたどっており、LIN、CAN、FlexRayなどの通信技術は、機械的な伝達機構を電気的に制御する「X-by-Wire」に置き換わる技術として注目されています。

課題

1. Man-in-the-Loop Testからの脱却
人的オペレーション+目視によるテスト(Man-in-the-Loop Test)では、人によるエラーが介入する可能性が高いのでテストループを自動化する必要があります。但しメータは表示装置であり、通常、テストするためのフィードバッグがありません。

2. 多機種への対応
信頼性評価部門では、多機種のメータをテストする必要があります。メータは製品毎に、針・インジケータ・LCDの位置や有無が異なります。汎用のテスト装置とするためには、画像を取得する位置やテストの内容を製品毎に変更する必要があります。この問題を克服することが最大の課題です。

3. 高解像度の画像処理
メータ指針の角度やLCD表示をテストするためには、フレームレートと解像度の高いカメラを使用して画像を取得し、画像処理を施す必要があります。

4. インジケータテストとブザーテスト
メータ内のインジケータ表示とブザー鳴動パターンをテストする必要があります。

5. ドライビングシナリオ
ドライビング/ユーザ操作のシナリオを作成して実車動作シミュレーションも実施します。

結果

1. Hardware-in-the-Loopシステムの構築
NI製のPXIシステム【NI PXI-7833R (FPGA DAQ)、NI PXI-4070 (DMM)、NI PXI-5402 (波形発生器)、NI PXI-8464 (CAN通信)、NI PXI-2569 (Switch)、NI PXI-6251 (DAQ)】を基本ハードウェアとして採用し、画像入力装置(カメラ)とNI LabVIEWの画像処理+テストプログラムをループとしたHIL (Hardware-in-the-Loop)Auto Testシステムを構築して目視によるテスト(Man-in-the-Loop Test)の問題を解決しました。

2. 多機種への対応
メータの製品による違いは、カメラの位置を移動するステージを設け、テスト前にティーチングと予備試験を実施し、設定ファイルを作成してからテストを繰り返すことで問題を解決しました。

3. 高解像度の画像処理
メータ指針の角度・LCD表示のテストは、高解像度カメラをテスト可能な位置へステージを移動することによって詳細画像を取得します。取得した画像をLabVIEWの画像処理関数を使用して処理、判定します。

4. インジケータテストとブザーテスト
インジケータのテストは、暗箱の中にメータを設置し、インジケータテスト用カメラを使用してテストを行います。ブザーの鳴動は、暗箱の中にマイクとアンプを設置し、DMMのデジタイザ機能を使用して音を集録し、周波数とパターンをテストします。

5. ドライビングシナリオ
ドライビング/ユーザ操作のシナリオは、LabVIEWで作成したHIL標準関数をNI TestStandのシーケンスファイルを作成することによって機種毎に作成します。

まとめ

今回の開発によりNI製品が、自動車業界の製品に対するHIL(Hardware-in-the-Loop)システムの構築にたいへん有効であることが確認できました。
今回開発したシステムは、バッテリー電圧テスト・暗電流テストなどECUテスト用HIL標準関数が揃っており、他のECUテストにも応用可能です。現在、エアコンECUやエアバッグECUへの展開を考えています。NI様には、さらに自動車業界にマッチした計測ソリューションの提供を大いに期待しています。

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